BLOG 社員ブログ
世界に一点だけの浮世絵2015/9/03
先日、福岡市美術館で開催されている「肉筆浮世絵の世界」に行ってきました。
「えっ、なんで?」「浮世絵とかに興味あったかいな?」とかいう声が聞こえてきそうです。
正直なところ全く詳しくありませんが、なぜか惹かれるのです。
私の幼いころには、広重の「東海道五十三次」などの浮世絵が
マッチ箱のラベルに貼られていたり、お茶漬けのパッケージなどに使用されていたり
身近なものだったからでしょうか!?
浮世絵に興味を抱くのは、鮮やかな配色や完成された画面構成などはもちろんですが
そこに描かれている庶民の暮らしや行事、 娯楽、町並み、橋、船などを見ていると
「本当にこんなに色鮮やかな着物を着ていたのだろうか?」
「江戸の町はこんなに大勢の人で賑わっていたのか?」など…
その情景の中にタイムスリップして自分の目で確かめたいという気持ちに駆られてしまいます。
私たちが知る有名な浮世絵の作品は多色摺木版画が多く
絵師、彫師、摺師の三人が関わって一つの作品が完成されるのですが
いま開催中の美人画・風俗画そして春画「肉筆浮世絵の世界」の展示作品は、
有名な喜多川歌麿や葛飾北斎をはじめ68人の浮世絵師たちが
髪の毛やうなじ、着物や帯の細やかな文様など
作品が完成する最後の一筆までを絵師が描いた、世界に一点だけの貴重な浮世絵なのです。
それだけでも見る価値ありです。しかも170点も展示されています。
会場には単眼鏡も持って絵師の筆の跡?を見ている方もおられました。
以前読んだ記事に、
浮世絵の版画は美人の顔を絵の具は使わず紙の白さで表現したらしいのですが、
肉筆画では貝殻を砕いた粉を使って何度も何度も薄く重ねて肌を表現したそうです。
絵師たちの超越した技と感性を間近に感じられるはずです。
また、数多く展示されている美人画を
江戸時代のファッション画として見るのも楽しいかもしれません。
「肉筆浮世絵の世界」
・福岡市美術館
・2015年9月20日(日)まで開催中
※写真は案内チラシより使用させていただきました。